初級カリキュラム

0-1. 講義名:安全講習

概要:技術職員や技術者が各自理解しておくべき業務遂行上の安全に関する事項を、TCカレッジ生全体の共通理解として学ぶ。また、過去に学んだ者については、学び直しによる再認識の場とする。教材として「健康・安全手帳」(web掲載)を使用する。オンラインによる月1回(90分)、1年間の輪講形式(TCカレッジ生が内容説明する)とし、各部門長が該当箇所をフォローする。単位取得条件は出席状況とレポート提出とする。学外者は各所で開催される類似の講習等で置き換えることができる。

 

0-2. 講義名:自然科学研究機構の技術研修受講

概要:自然科学研究機構で設定されている技術研修(初級程度)およびTCカレッジと共同開発した研修を受講し、TCカレッジの受講コースに関連する広い知識を習得する。自然科学研究機構担当者とTCカレッジ事業推進室員による会議で決定した講習・セミナー・見学等を1年間で3件受講する。研修項目は受講生の希望調査結果も参考にする。単位取得条件は出席状況とレポート提出とする。初級カリキュラムWGで自然科学研究機構の講習・セミナーを指定し、1年間で3講座受講する。単位取得条件は出席状況とレポート提出とする。

 

0-3. 講義名:英語研修(初級)

概要:技術職員および技術者も今後ますます英語での会話が必要となる。そこで、初級レベルの英語を学び、業務に活かせるようにする。東工大技術職員については、事務主催の職員研修を受講する。過去に受講したものについては、証明できる書類を提出し、単位認定できる。OFC職員で未受講の者および学外者については、各機関等で開催される類似の講習等や放送大学、各種試験等で置き換えられる。TOEIC 500点程度のレベルを想定する。論文執筆、海外研修、海外留学等についての単位認定は、個々の案件について初級カリキュラムWGで審議し、TCカレッジ運営会議で承認する。

 

0-4. 講義名:博士論文公聴会の聴講

概要:TCカレッジの最終段階に設定されているTC論文発表に向けて、博士論文発表を聴講することで、研究の進め方から「イントロ」「結果と考察」「結論」といった論文構成を学ぶとともに、論文発表の流れを理解し、場の雰囲気を感じ取る。具体的には、博士論文公聴会に参加し、研究発表を聴講する。TCカレッジ生の業務に関連する2件の博士論文公聴会参加を単位取得条件とし、レポートと合わせて評価する。聴講する発表の選定はコース担当およびコース監修教員と相談しても良い。必要に応じて、関連する部門長とも協議することも認める。学外者は各機関で開催される博士論文公聴会で置き換えられる。

 

0-5. 講義名:東工大OFC業務見学

概要:東工大OFCの各部門を見学すると共に、各部門で設定した初級程度の様々な分野の業務内容に触れ、技術職員や技術者としての広い知識を得る。説明等はOFC部門長または部門員が担当する。各部門において2時間で実施する。大岡山およびすずかけ台において、それぞれ訪問者を4班に分け、各部門を回る。単位取得条件は出席状況とレポート提出とする。各部門のカリキュラム内容を以下に記す。

 

0-5-1. 設計製作部門「工作機械の操作実習及び工具類取扱い講習」

概要:設計製作部門の主な業務として工作機械を使用した実験装置部品等のものつくりを行っている、工作機械には様々なものがあり、それらを組み合わせて、多種多様なものを作っていく。本実習では設計製作部門の施設・設備を見学した後、工作機械の概略説明及び工具類取扱い講義の他、工作機械の操作を実際に体験し、機械加工によるものつくりを理解することを目指す。

 

0-5-2. 分析部門「分析装置群の見学」

概要:分析では、様々な物質に対して電子顕微鏡やX線解析装置をはじめとして研究基盤に欠かせない評価が行われる。本実習では、研究基盤として利用されている分析装置群を見学し、試料調製および実際の分析を見学することで分析の概要を理解することを目指す。

 

0-5-3. バイオ部門「バイオ実験の見学」

概要:バイオ研究では、微生物や植物、動物を用いて、細胞培養や遺伝子組換え、動物実験などの実験が行われている。また、個体から分子まで幅広い試料について、質量分析、クロマトグラフィー、電気泳動、顕微鏡などの各種機器分析法を用いた解析が行われる。本実習では、バイオ研究で利用されている装置を見学し、遺伝子や細胞などを取り扱う実験を見学することにより、バイオ系の実験を理解することを目指す。

 

0-5-4. マイクロプロセス部門「ドライエッチング技術によるSi基板の微細加工」

概要:半導体やMEMSなどのマイクロサイズのデバイス製作では,リソグラフィ技術,成膜技術,エッチング技術などのプロセス技術と測定・評価を何度も繰り返してデバイスを製作する。本実習では,クリーンルーム内の上記技術の関連装置を見学し,ドライエッチング技術によりSi基板の微細加工を行い,光学顕微鏡,表面形状測定器による評価を体験して,半導体微細加工技術を実感として理解することを目指す。

 

0-5-5. 情報基盤支援部門「情報基盤設備(スーパーコンピュータ、ネットワーク)の見学・解説」

概要:情報工学分野には、ハードウェア、ソフトウェアをはじめ、幅広い分野が存在するが、情報基盤として他の様々な研究分野と連携し、研究活動に必要不可欠な分野とも言える。本実習では、東京工業大学の情報基盤を支える学術国際情報センターにて、スーパーコンピュータ(TSUBAME)と基幹ネットワークの設備を見学することで情報基盤の概要を理解することを目的とする。

 

0-5-6. 教育支援部門「教育支援状況、安全に対する取り組み等の紹介」

概要:当部門の主な業務は、全学向けの学生実験およびものつくり教育支援センターの運営全般に関わる技術支援、並びに学内において必要とされる動画コンテンツの制作である。本業務見学では、実験室や施設を見学し、安全に運営するための取り組みをはじめ、教育現場における技術職員がどのような役割を担っているか理解することを目指す。

 

0-5-7. 研究基盤戦略室「研究基盤に関するディスカッション」

概要:研究基盤の構築には様々な立場のステークホルダーによる視点が重要である。それぞれの立場において何を重視すべきかを考え、組織全体の研究基盤の在り方をディスカッションする。

 

0-5-8. ファシリティステーション部門「ファシリティステーションの見学」

概要:ファシリティステーション部門では物質表面の科学に着目し、その代表的な観察設備や評価方法を集約し、研究環境から整備を行おうとしている。本実習では近年大気圧下でありながら表面の高分解能像が得られる原子間力顕微鏡(AFM)を用いて、物質の分子の高さを現在の先端技術用いて体験、またその評価方法を学ぶとする。